田中史子の
つぶやきコラム
田中史子が日々の弁護士業務に
おいて感じていること、
考えていることについて
お伝えさせていただきます。
※当事務所は、当ウェブサイトの内容の正確性・妥当性等につきましては細心の注意を払っておりますが、その保証をするものではありません。 また、当ウェブサイトの各情報は、掲載時点においての情報であり、その最新性を保証するものではありません。
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2018.4.3
財産分与と慰謝料請求の相殺
一般に、債務が不法行為によって生じたときは、その債務者は相殺をもって債権者に対抗することができないとされています(民法509条)。
これはどういうことかというと、例えばAさんがBさんに20万円を貸していて、Bさんがお金を返さないのに腹をたてたAさんがBさ・・・
2018.4.2
財産分与と慰謝料
財産分与には、夫婦が婚姻生活により共同して築いた実質的夫婦共同財産の精算の要素(精算的財産分与)と、離婚によって生活に困窮する相手方に対する扶養の要素(扶養的財産分与)があります。
では、財産分与に、夫婦の婚姻生活を破綻に導いた相手方に対する損害賠償請求・・・
2018.3.30
会社名義の財産は財産分与の対象になるか。
婚姻中に、夫婦の協力によって取得した財産は、夫の名義の財産か、妻の名義の財産かにかかわらず、離婚の際には財産分与の対象になります。
では、家族経営の会社で、夫(もしくは妻)が経営者で、妻(もしくは夫)も会社の経営を共に行っていた場合、会社名義の資産は財産・・・
2018.3.29
老人性認知症と離婚
夫(もしくは妻)が老人性認知症になった場合、そのことを理由として離婚することはできるのでしょうか。
この点、妻がアルツハイマー病にかかり、特別養護老人ホームに入所している事例において、夫からの離婚請求を認めた裁判例があります(平成2年9月17日長野地方裁・・・
2018.3.22
精神病を理由とする離婚
民法770条1項4号は、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」を離婚原因の一つとして挙げています。
しかし、夫(もしくは妻)が精神病にかかった場合、それだけですぐに離婚できるということではありません。「強度の精神病」であることと、「回復・・・
2018.3.14
夫もしくは妻が3年以上生死不明の場合
民法770条1項3号は、夫(もしくは妻)が「3年以上生死不明」の場合を離婚原因として挙げています。
その理由について、名古屋地方裁判所平成29年5月29日判決は、「婚姻関係は一面倫理的、精神的な関係であると同時に、他面生物学的関係でありまた経済的関係であ・・・
2018.2.26
夫婦の同居義務
民法においては、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」(民法752条)と定められています。これによれば、夫婦は原則として同居生活をしなければならず、正当な理由がなければ別居できないことになります。ただ、夫婦双方が別居することに合意している場合や・・・
2018.2.25
浪費
夫(もしくは妻)が、一方的に別居して、それまで渡していた生活費を渡さない、という場合であれば、民法770条1項2号の離婚原因である「悪意の遺棄」にあたる場合があります。しかし、夫婦が同居している場合には、夫(もしくは妻)が浪費し、生活費を入れない状況であっても・・・
2018.2.23
悪意の遺棄
民法770条1項2号では、「配偶者から悪意で遺棄されたとき」を離婚原因として挙げています。ここでの「悪意の遺棄」とは、どのようなことをいうのでしょうか。
この点、「悪意の遺棄」とは、正当な理由なくして、夫婦の同居協力扶助義務に違反する行為であり、相手方を・・・
2018.2.18
有責配偶者からの離婚請求
自ら不貞行為等を行って、夫婦関係を破綻させた夫または妻を、有責配偶者といいます。この有責配偶者からの離婚請求については、裁判所は、これを認めてきませんでした。しかし、昭和62年9月2日最高裁の大法廷で言い渡された判例では、有責配偶者からなされた離婚請求であって・・・