田中史子のつぶやきコラム

田中史子の
つぶやきコラム

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2023.4.25

ペットと財産分与

夫婦で一緒に飼っていた動物(ペット)は、離婚の際、財産分与の対象になるのでしょうか。

ペットは、他の「財産」とは異なり、命あるものです。
そのため、離婚の際に引き取ることができる状況があるのか(飼育場所等)、また飼育場所の確保のための費用や餌代が今後も継続的にかかってくることを考慮する必要があります。

この点、大・中型犬を3頭飼っていた夫婦が離婚する際、「積極的な財産的価値があるとは認めがたいものの、一種の動産ではあり、広い意味では夫婦共同の財産に当たるから、財産分与の一環としてこれらの帰属等を明確にしておくのが相当である」として飼育費用等について定めた裁判例があります(福岡家裁久留米支部令和2年9月24日判決)。
この判決においては、3頭の犬をそれぞれ、元夫と元妻が2対1で共有とし、離婚後は元妻宅で飼育をし、元夫が持ち分に応じた飼育費用を負担することとしました。
この判決においては、双方の自宅の状況や、経済状況等から、上記の通りの結論が実質的な公平にかなうとしています。


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