よくあるご相談

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よくあるご相談

産分与・慰謝料について

夫(もしくは妻)は会社経営者で、自分の会社の株を保有しています。この株は財産分与の対象になりますか。

夫(もしくは妻)が、結婚後に夫婦の財産で会社を成立した場合には、自社株も財産分与の対象となると考えられます。
また、結婚前に設立した会社であっても、結婚後に増資をしているような場合には、増資部分の株式について財産分与の対象となる可能性があります。

上場会社の株式を財産分与する場合、いつの時点の株価を基準とするのですか?

財産分与の評価時点は、原則として現在(離婚裁判においては、裁判の終結日)です。
ただ、株価が大きく変動している場合は、ある特定の日の株価を基準とすると不公平な結果となることもあることから、一定の期間の平均値を株式の評価額とした判決もあります。





夫(もしくは妻)の借入金は、財産分与の際に考慮されますか?

夫(もしくは妻)が、生活費の不足や、子どもの教育のためにした借り入れについては、家計の維持のためのものですので、財産分与の際に考慮されます。
一方、夫(もしくは妻)が、ギャンブルや浪費、自己の趣味等のため、個人的に行った借り入れは、財産分与の際には考慮されません。

財産分与の際、相手方が預金口座を隠して見せてくれません。このような場合、相手方に預金口座を開示してもらう方法はありませんか。

調停を申し立て、調停の中で預金口座の開示を要請することが考えられます。
調停では、担当の調停委員2名から、財産分与をするには、基準時(通常は別居時)における預金口座やその他の財産を、双方が開示する必要があることの説明があります。
それでも相手方が預金口座を開示しない場合には、裁判所に対し、銀行に調査の依頼をしてもらうよう要請する方法(「調査嘱託」と言います)があります。
裁判所が、調査嘱託の申し立てを受けて、調査の必要性を認めれば、裁判所から調査をしてもらうことができます。
この場合、単に「どこかの銀行に預金があるはずである。」というだけではだめで、具体的に相手方の預金のある銀行名・支店等を特定して申立を行うことが必要です。



扶養的財産分与とは、どのようなものですか?

離婚の際の財産分与には、夫婦が共同して築いた財産を清算するための「清算的財産分与」のほかに、離婚後の相手方の生計の維持を目的とする「扶養的財産分与」があります。
離婚後は、それぞれ経済的に自立して生活していくことになりますが、それが困難な事情がある場合に、夫婦それぞれの財産状況、生活状況、収入等を考慮し、扶養的財産分与が認められることがあります。
ただ、財産分与の中心は清算的財産分与です。
扶養的財産分与が認められるのは、清算的財産分与だけでは離婚後の生活が成り立たず、また相手方に資力がある場合に、補充的に認められるものと考えられます。

1年前に何の取り決めもせずに離婚しました。今からでも財産分与の請求をすることはできますか?

離婚が1年前であれば、今からでも財産分与の請求は可能です。
ただ、離婚から2年を超えると、家庭裁判所に財産分与の調停・審判の申し立てをすることができなくなります。
財産分与について、当事者間で話し合いがまとまらない場合には、この2年の期間内に家庭裁判所に財産分与の申し立てをすることが必要です。
また、離婚後時間が経つと、財産に関する資料も集めにくくなることが考えられますので、2年以内であっても、出来るだけ早めに財産分与の請求はした方がよいと思います。

離婚する場合、財産分与の対象となるのはどのような財産ですか?

離婚の際、財産分与の対象となるのは、婚姻期間中(別居まで)に得られた収入により取得した財産です。
それが、夫婦いずれの名義になっているかは関係ありません。
しかし、婚姻期間中に得た財産であっても、それが親族からの贈与や相続によって取得したものであれば、夫婦それぞれの「特有財産」であり、財産分与の対象になりません。
また、夫婦それぞれが結婚前から有している不動産や預金等も、夫婦の協力によって得た財産ではないので、原則として財産分与の対象からはずれることになります。

私達夫婦は長年別居しており、私は別居後、お金を貯めてマンションを購入しました。今回、離婚することになりましたが、このマンションについても財産分与の対象になるのでしょうか?

財産分与は、夫婦が協力して財産を形成したと言う前提で行われるものですから、基本的に別居した時が財産分与の基準時となります。
したがって、別居後の収入で取得したマンション等の財産は、財産分与の対象にはなりません。
ただ、「別居」といっても、いわゆる家庭内別居の場合には、通常は経済的協力関係はありますので、家庭内別居中に取得した財産も財産分与の対象になると考えられます。

離婚の財産分与の際に、未払いの婚姻費用(生活費)をまとめて支払ってもらうことはできますか?

別居中の婚姻費用(生活費)が支払われていなかった場合、離婚時にそのことを考慮して、財産分与額を決める場合もあります。
しかし、財産分与において、必ず婚姻費用の未払分がまとめて支払われる、というわけではありません。
婚姻費用は、その時々の生活のために必要なお金なので、婚姻費用を支払ってくれない場合には早期に調停の申し立てをすることを検討した方が良いと思います。
婚姻費用の調停では、夫と妻双方の収入、生活状況、子どもの年齢、人数等を考慮し、話し合って婚姻費用の額を決めますが、話し合いがどうしてもまとまらない場合には、裁判所か審判で婚姻費用の額を決定することになります。

結婚後に購入したマンションに住宅ローンが残っている場合、財産分与はどのように考えればよいのですか?

住宅ローンの残額よりも、現在の不動産の価格が高ければ、不動産の価格から住宅ローン残額を引いた額が、夫婦の財産として分与の対象となると考えられます。「現在の不動産の価格」は、実際に売却した場合は明確になりますが、売却はせずに、離婚後も夫婦のどちらかが住み続ける場合であれば、不動産業者の査定額をもとにするのが一般的です。
現在の不動産の価格よりも、住宅ローン残額の方が多い場合には、不動産の価値としてはゼロと考えられます。この場合、マンションに住み続ける方が残ローンを引き受け、引き続き支払っていくということが多いでしょう。

離婚の慰謝料はどのくらい認められますか?

夫婦の関係や離婚に至る経緯は様々ですので、一概にいくらということはできません。
双方の話し合いや、離婚調停で慰謝料額がまとまればよいのですが、どうしても慰謝料額の合意ができない場合には裁判となります。
裁判では、離婚の原因や、結婚期間、生活状況等を総合的に判断して、慰謝料額が決められます。
夫(妻)の不貞行為や暴力等により夫婦関係が破綻したと裁判で認められた場合には、100~200万円の慰謝料となる事例が多いのではないかと思います。
これに対し、離婚原因が、夫婦どちらかに一方的にあるとは言えないような場合には、慰謝料は認められません。

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婚原因(不貞行為、暴力等)に
ついて

夫(妻)と離婚したいのですが、夫(妻)は離婚を拒否し、自分は暴力もふるっていないし、不貞行為もしていないので離婚は認められない、と言っています。暴力や不貞行為などの明確な理由がなければ、裁判では離婚が認められないのでしょうか。

民法770条1項では、①配偶者に不貞な行為があったとき、②配偶者から悪意で遺棄されたとき、③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき、に離婚の訴えを提起することができるとされています。
したがって、暴力や不貞行為などがなくても、「婚姻を継続し難い重大な事由」があると認められれば、離婚が認められます。
お互いに信頼関係を失って夫婦関係が破綻し、修復の見込みがない場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたると言えますが、その判断においては、別居期間がどの程度かが重要な要素となります。

離婚原因の一つである「悪意の遺棄」とはどのようなことですか?

夫(妻)が病気の妻(夫)を置き去りにして家を出て行き、生活費も送金しないというような場合や、夫(妻)が妻(夫)を家から追い出し、戻ってくることを認めない、というような場合をいいます。しかし、同居の拒否や扶助の拒絶に正当な理由のある場合は、「悪意の遺棄」にはあたりません。例えば、夫(妻)の度重なる暴行、暴言に耐えられず、やむなく家を出たような場合は、同居の拒否に正当な理由があると言えます。

夫(妻)の不貞行為が発覚しました。離婚するかどうかについては、子どももいるため悩んでいますが、夫(妻)の不貞相手に慰謝料請求はできますか。

夫(妻)の不貞相手が、夫(妻)に配偶者がいることを知りながら交際を継続していたような場合には、離婚していなくても、不貞相手に対して慰謝料請求することができます。ただ、離婚しない場合には、不貞相手に対して認められる慰謝料額は、一般的には離婚した場合よりも低くなると考えられます。

夫(妻)の暴力・暴言で離婚を考えています。しかし、夫(妻)に離婚の話をすると、また暴力を振るわれるのではないか、大声で怒鳴られるのではないか、との恐怖心があり、離婚の話し合いをすることができません。どうしたらよいでしょうか。

そのような場合は、直接離婚の話し合いをするのではなく、弁護士を通して離婚の話し合いをするか、家庭裁判所に調停を申し立てるのがよいと思われます。離婚調停では、待合室も申立人と相手方とで別々になっており、調停においても、相手方と顔をあわせることなく話ができるようになっています。

私は以前より夫(妻)と別居していましたが、最近夫(妻)に交際相手ができたため、離婚したいと言われました。夫(妻)からの離婚請求は認められますか。

夫婦関係を破綻させる原因を作った夫(妻)が、自ら婚姻を破綻させたにもかかわらず離婚請求をしても、いわゆる「有責配偶者」からの離婚請求として、原則的には離婚は認められません。
そのため、いわゆる不貞行為を行って夫婦関係が破綻した場合には、「有責配偶者」として離婚請求が認められないということになります。
一方、別居が長期間に及ぶ等により、交際開始時にすでに夫婦関係が破綻していたと認められれば、「有責配偶者」にはあたらず、離婚請求は認められます。
この点、単に別居している、というだけでは、夫婦関係が破綻しているとは言えないので、注意が必要です。

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どもをめぐる問題(親権
・面会交流・養育費等)について

夫(妻)と離婚したいのですが、子どもは自分が育てたいと思います。しかし、夫(妻)は、「離婚するなら子どもをおいて出て行け。」と言っています。離婚の際、親権者はどうやって決まるのですか?

夫婦間の話し合いで親権者が決まらない場合には、裁判所において、どちらの親と一緒に生活するのが子どものためによいのか、という観点から調査が行われます。裁判所の調査においては、子どもと夫婦それぞれのこれまでのかかわり方、監護状況、養育能力、経済力、子どもの意思等の諸事情を総合的に考慮し、どちらが親権者になるのが子どもの健全な生育にとって利益であるのかを判断することになります。

離婚を前提に夫(妻)と別居し、子どもは私が育てていました。ところが、夫(妻)が子どもと面会した際に、そのまま自宅に連れ帰ってしまい、私が子どもを戻すように求めても、自分も親権者だから問題ないと言って子どもを戻そうとしません。子どもを取り戻すにはどうしたらよいですか?

家庭裁判所に子どもの監護者の指定と引き渡しの調停・審判を求めることができます。
離婚するまでは、別居していても父母双方が親権者ですが、家庭裁判所で監護者を定め、監護者への引き渡しを求めることができます。家庭裁判所で監護者を定める基準は、子どもの健全な生育にとってどちらがよいか、という観点で判断されます。
それまで子どもを育てていた親のもとから、協議もせず、勝手に子どもを連れ帰ったというような場合には、その行為自体が子どもの監護上問題であると考えられますので、相手方が子どもを戻すことに応じない場合には、出来るだけ早く、家庭裁判所への申し立てをした方がよいと思います。

子どもの親権を夫(妻)に渡した場合、離婚後、子どもに会わせてもらえなくなるのではないかと心配です。子どもとの面会交流について、取り決めをしておいた方がよいですか?

両親の離婚後、一緒に暮らしていない親との面会交流を継続することは、子どもにとっても重要なことと考えられます。離婚後も、双方の親が子どものことで連絡をとりあい、面会交流についても適宜取り決められる状況であれば、詳細な取り決めは必要ないのですが、そのような状況にない場合には、面会の回数、時間、方法等を当事者間の話し合いや調停で決めておいた方が、面会交流が滞りなくできます。

離婚を前提に別居しており、子どもは私が育てています。
別居後、夫が子どもと会いたいと言ってきましたが、子どもは嫌がっています。
子どもが嫌がっていても、面会交流はしなければならないのですか。

お子さんの今後の成長を考えると、夫婦関係は破綻していても、お子さんと別居することになった方の親との関係性を保つことは重要です。
子どもと一緒に暮らしている親が、面会交流をさせたくないと思っている場合、子どももその気持ちを察して、面会交流を嫌がっているということがありますので、どうしてお子さんが面会交流を嫌がっているのかを見極めることが大切です。
お子さんが嫌がっている理由が、相手方の対応にあるのであれば、それを相手方に伝え、改善してもらうことが必要になります。
面会交流について、当事者間での協議が難しいときには、家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てることができます。
ただ、お子さんに対する虐待や、面会交流を実施することがお子さんの福祉に反するような事情がある場合には、面会交流が認められない場合があります。

離婚後の子どもの養育費を支払ってもらえない場合、どうすればよいですか。

離婚の際、家庭裁判所の調停で養育費を定めた場合には、養育費を決められた通り支払うよう、裁判所から勧告してもらうことができます。また調停もしくは公正証書で養育費の定めをしている場合、養育費の支払いがなされなければ、給料の差し押さえ等の強制執行ができます。

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約・男女関係について

結婚を前提に交際していた相手から、突然、他に好きな人ができたので別れたいと言われ、その後の連絡も拒否されました。私は、相手の対応にどうしても納得がいかないのですが、婚約指輪をもらっているなどの場合でないと婚約破棄で慰謝料請求はできませんか。

婚約破棄で慰謝料請求をするためには、法的な意味での「婚約」が成立している必要があります。結納や婚約指輪の交付、結婚式場の予約等をしていれば、「婚約」したことがはっきりしていますが、そうでない場合であっても、当事者の婚約の意思が外形的に示されている場合や、性的関係の継続性等の事情によっては「婚約」が認められることがあります。

私は婚約し、結婚式の日取りも決まっていましたが、結婚式に向けての準備をしているうちに、相手とは家族に対する考え方が大きく異なることがわかり、結婚生活を送っていく自信がなくなりました。そのため相手に婚約破棄を申し出たのですが、相手は、婚約を破棄するなら、私に対し慰謝料を請求すると言っています。私は慰謝料を支払わなければならないのでしょうか。

婚約を破棄しても、「正当な理由」があれば慰謝料は発生しません。
交際中は二人の関係が順調であっても、婚約し、具体的に結婚のための準備をするとなると、家族や生活に対する二人の価値感の違いが明らかになり、結婚できないという気持ちになることはあります。それにもかかわらず、もう婚約したのだからと、自分の気持ちに反して結婚しても、お互いにとって決してよいこととは思えません。このような場合に、相手に自分の気持ちを伝え、十分に話し合った上で結婚を取りやめることは、「正当な理由」のある婚約破棄と言えます。
もっとも、結婚を目前にして、一時的に不安になっている場合もありますので、すぐに結論を出すのではなく、いったん結婚式の日程の延期をするなどして、できるかぎり話し合いをしていく方がよいと思います。また、どうしても婚約破棄がやむを得ない場合であっても、相手の気持ちを考えた対応をすることが、後のトラブルを防ぐことにもつながります。

婚約破棄をした相手に対し慰謝料を払ってほしいと言いましたが、相手は慰謝料を支払う義務はない、と言っています。この場合、裁判をするしかないでしょうか。

まず、弁護士に依頼し、弁護士を通して交渉する方法があります。弁護士を通して交渉しても、相手方が慰謝料支払いに応じない場合には、調停を申し立てるという方法もあります。

婚約者が別の人とも交際していることがわかり、私の方から婚約を破棄しました。自分から婚約破棄した場合でも、慰謝料請求することはできますか。

婚約破棄に至った責任が相手にある場合には、婚約破棄を言い出したのがこちらであっても、相手に慰謝料請求することができます。婚約者が別の人とも交際していたことがわかり、婚約破棄に至った場合であれば、婚約破棄の責任は相手にあると言えるでしょう。