田中史子のつぶやきコラム

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2018.1.28

父母以外を監護者と指定することができるか

様々な理由により父母以外の第三者、例えば祖父母や他の親族が子どもを監護していることがあります。

それでは、父母以外の第三者が、自らを監護者として指定することを裁判所に求めることができるのでしょうか。

この点、東京高等裁判所平成20年1月30日決定は、子どもの父母以外の親族が自らを監護者として指定することを求めることを家庭裁判所の審判事項として定める規定はない、として申立自体を不適法としました。

しかし、父母が子どもを虐待している場合等において、第三者を監護者に指定する必要がある場合もあると考えられ、形式的に法律上の規定がないからといって、申し立て自体を不適法とした上記の決定には疑問が残ります。

これに対し、東京高裁昭和52年12月9日決定においては、「家庭裁判所が親権者の意思に反して子の親でない第三者を監護者と定めることは、親権者が親権をその本来の趣旨に沿って行使するのに著しく欠けるところがあり、親権者にそのまま親権を行使させると子の福祉を不当に疎害することになると認められるような特段の事情がある場合に限って許される」としています。

この決定は、結論的には、子の親でない第三者からの監護者指定を認めませんでしたが、上記のような「特段の事情」がある場合には、第三者からの監護者指定が認められる場合もあるということを述べています。

また、金沢家庭裁判所七尾支部平成17年3月11日審判においては、「父母が子の監護権に関する合意を適切に成立させることができず子の福祉に著しく反する結果をもたらしている場合には、家庭裁判所の権限につき民法766条を、請求権(申立権)者の範囲につき民法834条をそれぞれ類推適用し、子の親族は子の監護に関する処分事件の申立権を有」するとして、祖母を子の監護者に指定しました。

上記は、親による監護に相当問題があると思われる事案でした。形式的に条文にあてはめて申立てを却下するのではなく、条文の趣旨に遡って解釈することにより、子どもにとって最も良い結論を導こうとした審判であると思います。